約300万人の若者がホームレスと地続き

ここ数年、20代、30代のホームレスが急増しています。

厚生労働省の統計では、平成15年から平成25年までの10年間でホームレスは7割減り、2015年1月に行われた調査で、日本のホームレスの数は6,541人と公表されました。(出典:ホームレスの実態に関する全国調査
しかし、不況が長引く中で、既存のホームレスの定義、「路上生活者」ではくくれない、新しいホームレスは確実に増えています。
ネットカフェやカプセルホテル、24時間営業店舗を転々とし、夜を過ごす彼らの多くは、身なりにも気を使っていて一見してホームレスとは分かりません。
こうした若者たちは、路上生活となり、そこからぬけ出せなくなるリスクを抱えています。

ビッグイシュー基金の想い

若者がホームレスになっていくこの現状を放置することは、未来を担うはずの若者から社会経験を積む場や活躍の場を奪い、社会全体の力を弱めることにつながると私たちは考えています。若者の出番がない、そのような社会に未来はあるでしょうか。
若者には、社会の負担ではなく、担い手になってほしい。
社会的に困難を抱える若者が出番や居場所をもてる社会、それは、すべての人が排除されない「包摂」社会へとつながっていくはずです。
そのため私たちは、居場所と出番、包摂社会へ以下の事業に取り組んでいます。

ビッグイシュー基金の取り組み

1.アウトリーチ ―新「路上脱出ガイド」の制作・配布
― もう一度立ち上がろうとする、「ホームレス」の人たちに届けたい。

リーマンショック直後に発行を開始した路上脱出ガイド
現在では、東京・大阪をはじめ、札幌・名古屋・福岡・京都でも制作しています。
(Webでも閲覧が可能です。)

路上にいない「ホームレス」へも情報が届くように、図書館などの公共施設、教会、その他施設からの協力を得て、配布場所を広げています。
今後のガイド改訂では、「路上生活を脱するための」情報に加え、「路上に出てしまう前に、問題を解決するための」情報を載せ、ホームレスになりうるリスクを抱えた人たちも広く利用できるガイドをつくっていきます。

2.社会的困難を抱えた若者をサポートするネットワークづくり
― 若者をホームレスにしない

ホームレス問題は、ただ「家がない」というだけの問題ではありません。
私たちがこれまでに行ってきた独自の調査(※1)と当事者とのかかわりの中でも、「障害者(知的・精神・身体)」「手帳を持っていないけれど障害の疑いがある人」「出所者」「児童養護施設出身者」「被虐待経験」など、複数の要因が重なり、それらが障壁となって仕事を得ることができず、頼る家族もなく、貧困状態から路上生活へといたったケースがたくさんあります。

※1:若者ホームレス白書(2010年12月発行)
20〜30代のホームレスの方50名の聞き取り調査をまとめた小冊子。

若者ホームレス白書

<若者ホームレスの実情(グラフ):白書1より>

主な養育者、実家を出た理由、抑うつ傾向

これらの調査結果を受けて、若者のホームレス化を食い止めるためには、一つの専門分野からのアプローチだけでは足りないことを再確認しました。国や民間がそれぞれ別に行っている、若者、障害者、社会的養護、住宅、就労などの支援体制が横断的につながるネットワークをつくることの必要性を感じ、他団体との協力体制をつくるべく、連携をすすめています。(※2)

※2:若者ホームレス白書2(2012年3月発行)
若者ホームレス白書1の発行後、若者ホームレスの支援ネットワーク構築を目的に、7回の委員会と3回の市民参加の若者ホームレス会議を実施。そこでの話し合いの内容をまとめた小冊子。

若者ホームレス白書2

若者ホームレス会議参加団体の声

社会的養護のもと巣立つ子どもたちは、親や家族の支援が受けられず、何十ものハンディを背負い社会に出るが、退所後のアフターケアは十分ではない。施設退所者がホームレスになるという問題を直視し、支援者同士がつながり、福祉のあり方と施策の抜本的改革に取り組んで生きたい。
(児童養護施設退所者の相談所)

若者ホームレスの問題も世の中の問題も、「信頼できる深いつながり」と「居場所」があれば問題が顕在化しなかったものがほとんど。そのつながりや居場所を、音楽をトリガーに教育プログラムで提供しているので、この問題に取り組む仲間としてビッグイシュー基金と協働したいと思っている。
(若者支援NPO)

参考リンク:社会的排除にいたるプロセス 平成24年9月 社会的排除リスク調査チーム
さまざまな問題を抱え、社会的排除の状態にある若者(18歳〜39歳)のライフコースを追い、社会的排除にいたるまでのプロセスを調査した報告書です。
若者ホームレス白書1、2にご協力くださった方々も参加しています。

3.いきがいと居場所づくり
― 人は「ホープレス」となったとき、「ホームレス」になる。すべての人が希望をとり戻し、生き生きと活躍できる場所をつくりたい。

人は、家を失うだけでなく、「希望」を失ってホームレスになります。
生きる希望や意欲を、再び取り戻すこと、これはホームレスの状態を抜け出すのに一番必要なことだと私たちは考えています。そこでまずは、誰もが存在を認められ、生き生きと関われる場所をつくりたい。

そんな思いから、ビッグイシュー基金ではホームレスの「文化・スポーツ活動」応援に力を入れています。
ホームレスサッカー、ダンス、バンド、路上文学賞、「あるこう会」など、当事者が自主的に活動に参加しています。

クラブ活動参加者の声

長い間、人とのかかわりが薄くなり、自分に対してもこれからの未来に対しても目標をもてなかったのですが、ホームレスワールドカップに参加する中で、チームメイトや目標、自信を取り戻すことができました。これからも目標をもって頑張っていきたいです。
(フットサル参加のホームレス経験者・20代 Tさん)

寄付による社会変革、あなたも参加しませんか。

市民会員、ボランティアの声

少しでもホームレスの方の生きる力の源になればと思い、お料理づくりのボランティアを続けています。おいしいとお声をかけてもらえた時は本当に嬉しいです。自分も社会で出会った方々にお世話になり、生きてこられたので、このようなボランティア活動で社会がよい方向に動いてくれたらと願います。
(ボランティア・60代 Tさん)

インターンで半年ほど広報関係のお手伝いをしました。ツイッタ―やフェイスブックなどのソーシャルメディアを使って、より多くのみなさんにビッグイシューを知ってもらえるような方法を試行錯誤試しました。現在ネット上ではさまざまな情報が無料で見られますが、その中からホームレス問題やビッグイシューの情報を見つけてもらえる人が増えればと願っています。
(元インターン・20代 Tさん)

電車から隅田川の河川敷にあるブルーシートを遠目に見ていた自分ですが、縁あってホームレスサッカーと出会い、サッカーを教えるボランティアをはじめてから5年がたちました。最初は、ホームレスの人と話したことがなかったので緊張したのですが、ボールを蹴るとみんな一生懸命で、自分も一緒にたのしく練習をしています。ビッグイシューにはサッカー以外にもいろいろな関わり方があるので、多くの人に関わってもらえればと思います。
(ボランティア・30代 Hさん)

社会的課題の解決に戦略的・包括的に取り組む団体を支援するには、ビッグイシュー基金は最適な団体と考えています。認定NPO法人にもなられ、ご寄付に際しては会社の同額マッチング寄付制度により倍額にしています。また支援には様々なリソース、ネットワークや機会、モノやサービスの提供等もあり、できる限りのことを継続的にやっていきたいと思っています。
(市民応援会員 30代 Hさん)

社会を変えるのは、市民ひとりひとりの思いです。
寄付による社会変革、みなさまのご参加を心よりお待ちしております。

※ビッグイシュー基金は、国税庁から「認定NPO法人」に認定されました。2012年7月1日からのご寄付は税制優遇の対象となり、寄付金控除等を受けていただくことができるようになりました。
詳しくは寄付金控除についてをご覧ください。
寄付への控除制度については認定NPOへ寄付するということはをご覧ください。

メディア掲載

朝日新聞・読売新聞・北海道新聞・大阪日日新聞
週刊朝日・東京新聞・週刊東洋経済
掲載メディア一覧はこちら

*認定NPO法人ビッグイシュー基金は、「若者を、ホームレスにしない」事業の他にも、多様な活動を展開しています。詳細は「応援プログラム」をご覧ください。

pagetop
応援するには?寄付と会員のご案内 ビッグイシュー基金スタッフブログ 路上脱出ガイド全国各地で作成・配布中 若者をホームレスにしないために 被災地の路上から